旅行のときにインスリンを忘れたらどうする? 起こりがちな疑問やトラブルと対処法を徹底解説!

糖尿病治療中の旅行好きなみなさん、こんにちは。

薬剤師のゆうなです。

今回は、旅行の際に起こりうるインスリン治療の疑問やトラブルとその対処法についてまとめました。

慣れない土地で

「こんなときどうしたらいいの?」

と、戸惑って旅行どころじゃなくなってしまわないよう、しっかり対策していきましょう。

もちろん、インスリン治療をしていてもきちんと準備しておけば、安心して旅行を楽しめますよ。

「もう旅行中なんだけど…」

という方も大丈夫。

この記事を読み終わる頃には不安解消しているはずです。

それでは、早速準備をはじめていきましょう。


「インスリンの機内持ち込み」国際線は書類が必要!事前のリサーチを

旅行で飛行機を利用するときに気になるこの疑問。

特に移動時間が長いと、移動中にインスリンを打つ必要がある場合もありますよね。

目的地まで安心して行けるように、準備しておきましょう。

インスリンを機内持ち込みするために必要なものは、利用する飛行機が国内線か国際線かで異なります。

国内線の場合は、書類などがなくても問題なく機内に持ち込めます。

保安検査のときに保安官から聞かれた場合は、自己注射器(針)である旨を口頭で伝えればOKです。

国際線の場合は、英語の証明書をお医者さんから事前に出しておいてもらうとよりスムーズに、安心して検査を通れます。

また、入国審査の際に必要なものについては、国ごとに違う可能性があります。

事前に訪れる国の大使館に問い合わせをして、必要な書類等をチェックしておきましょう。

必要なものを準備しておけば、国内旅行も海外旅行も、インスリンの持ち込みは問題なくできそうですね。

自己判断は危険!打ち忘れのときは専門家に相談を

旅行中にふと時計を見たら、いつの間にか普段インスリンを打つ時間を過ぎてしまっていた。

美味しそうな食事を目の前にして、ついつい食前のインスリンを打ち忘れてしまった。

普段きっちりインスリンを使っていても、旅行中は忘れてしまうこともありますよね。

打ち忘れたインスリンを、次の時にまとめて打つのは絶対にNGです。

旅行前であれば、旅先でインスリンを打ち忘れたときの対処法について事前に先生に相談してから出発できると安心です。

なぜなら、インスリンは厳密には人によって調節の仕方や量が異なるからです。

ただ、もうすでに旅行に出かけていて、旅行先でこの記事を読んる方もいますよね。

もし、普段利用している薬局や病院の連絡先が分かるのであれば、電話して対処法を聞くのが一番です。

ただ、どうしても薬局や病院に連絡が取れない方は、参考までにインスリンの種類ごとの対処法をまとめたのでご覧ください。

あくまで目安であることは頭に置いた上で読んでくださいね。

●食事に合わせて打つインスリンを忘れた場合

 超即効型(ノボラピッド、ヒューマログ、アピドラ)の場合は、気づいた時点ですぐに打ってください。

即効型(ノボリン®、ヒューマリン®)の場合は、打った後30分程度経ってから効果が出始めます。

タイミングがずれたことによる低血糖を予防するために、1回分飛ばして次の食事の直前に普段と同じ量を打ってください。

●1日のうちの決まった時間に打つインスリンを忘れた場合

気づいた時点ですぐに1回分の量を打ってください。

次に打つタイミングと近い場合は、次に打つインスリンの量を調節した方がよい場合があります。

できれば次のタイミングの前までに、医師または薬剤師に連絡して指示を仰いでください。


冷や汗、動悸は低血糖のサイン!ブドウ糖は旅の必需品

意外と油断しがちなのが低血糖。

長年インスリン治療を続けている方の中には、

「今まで低血糖はなったことがない」

という方もいらっしゃいます。

ただ、旅行の時は普段とは違う食事になることが多いですよね。

運動量もいつもとは違ってきます。

気づかないうちに、低血糖のリスクはいつも以上に高くなっているのです。

低血糖は短時間であっても生命維持に関わることがあります。

なぜかというと、血糖値を下げるルートは体の中にいくつかあるのに対して、血糖値を上げるルートは体の中に1つしかないからです。

低血糖になった場合、初期症状として異常な空腹感、体のだるさ、冷や汗や動悸などが現れます。

このような異変を感じたら、すぐに10g程度のブドウ糖または150~200mLの清涼飲料水(果汁100%のジュースなど)を摂ってください。

15分程度安静にしても症状が治まらない場合は、さらに追加で糖分の補給をしてください。

砂糖は、飲んでいる薬の種類によっては効果がない場合があります。

できるだけブドウ糖か清涼飲料水で糖分補給をしてください。

まとめ

「インスリンの機内持ち込み」国際線は書類が必要!事前のリサーチを

インスリンを機内に持ち込むために必要なものは、利用する飛行機が国内線か国際線かで異なります。

国内線の場合は特段必要な書類等はありません。

国際線の場合は、国ごとに対応が異なります。

各国の大使館に問い合わせをして確認しましょう。

自己判断は危険!打ち忘れのときは専門家に相談を

打ち忘れたインスリンを、次のタイミングでまとめて打つことは絶対にしないでください。

インスリンを打ち忘れたときの対処法として一番安心なのは、普段通院している病院の先生や、普段行く薬局の薬剤師に問い合わせをして指示を仰ぐことです。

問い合わせができない場合は、自分が使っているインスリンの種類を確認した上で下記の対処法を参考にしてください。

●超即効型(ノボラピッド、ヒューマログ、アピドラ)

気づいた時点で打つ。

●即効型(ノボリン®、ヒューマリン®)

1回分飛ばす。

●1日のうちの決まった時間に打つインスリン

気づいた時点で打つ。

次に打つ時にインスリンの量を調整した方がよい場合があるので、打った後はできるだけ早めに病院や薬局に問い合わせをする。

冷や汗、動悸は低血糖のサイン!ブドウ糖は旅の必需品

旅行中に低血糖の症状(異常な空腹感、体のだるさ、冷や汗や動悸などが現れた場合には、すぐにブドウ糖10gまたは果汁100%ジュースなどの清涼飲料水で糖分を摂取してください。

15分程休んでも治まらない場合は、さらに糖分を追加で摂って下さい。

今まで低血糖になったことがない方も、念のためブドウ糖をカバンに入れておくと安心です。

インスリン治療をしながらの旅行。

準備するものや注意点はいくつかありますが、しっかり準備しておけば今まで通り楽しむことができます。

万が一旅先でトラブルが発生した場合でも、落ち着いて対応すれば大丈夫。

インスリン治療をしていることや、今回の記事で挙げた注意点などを、あらかじめ一緒に行く方と共有しておくとさらに安心です。

ぜひ、旅先で素敵な思い出を作ってきてくださいね。